東西文化研究ノート

東西文化の融和体得者を育成せんことを建学精神とする両洋学園の創立者・中根正親先生の「両洋精神」と、国民教育の友とならんと「社団法人実践人の家」を創始された教育哲学者・森信三先生の「全一学」に魅せられて、「東西文化の融合は大和民族の世界史的使命である!」というテーマに的を絞って東西両洋文化の研究をしている管理人のブログです。
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東西文化融合の旗手たち(三)中根正親−教育革命に命を懸けて−(2)
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    教育革新宣言

                 中根正親
     

    元来、日本文化は輸入文化、模倣文化。

    民族精神は独立でも文化は従属、借りものである。

    これを逆転して主導自立の文化にすることが、明治百年を迎える日本民族の心意気であり、悲願でなければならぬ。

    微力の両洋学園が、五十年の長期にわたり建学の使命として、新教育樹立のため、学園の運命を賭して、研究実績に全力を傾注してきたのもその淵源は、実はここにある。

    その所産たる要体教育なる新理論は厳然たる科学性に立脚、世界のマンネリズムを強力に破砕する。

    およそ、今日の文化はアイディアの競争、新しいアイディアによって文化は向上し、世界は変動する。

    われらは、教育に関し日本人の創成した新しいアイディアの見本として、敢えて自薦、世界の教育アイディアに挑戦する。
     

    (「両洋学園教育革新宣言要体教育」1968年(昭和43年)11月2日発刊の京都新聞より)

     

    23才の若さで速記法の新案発明
    中根正親は長崎県島原市の生まれで、旧制長崎中学校、京都三高、京都帝国大学工科大学土木科に進み、大正3年、京都大学在学中23才の若さで画期的な速記法の新案発明をした。

    この速記法の発明は、当時苦学を余儀なくされていた中根正親が、京都大学嘱託速記者、松川梅賢氏の英文速記リーダーとして一日4時間ものアルバイトをしていたことに端を発する。当時を回想して中根正親は次のように述べている。

    明治四十四年の頃、当時私は第三高等学校二部二年に在学中であったが、ある朝、ふと京都日出新聞(現京都新聞の前身)を見ると、五行広告に「職あり人を求む」というのがあった。当時貧窮その極に達し、三食すら完全に得られない状態にあった自分にとって、電光のごとくその五行の文字が頭に入った。一種のすがりつきたいような踊躍を感じ、よく見ると、それは「学生の内職にふさわしいある事務の助手」というのである。私はその朝学校へも行かないで、先頭第一の功名者となるべく、早速白川の叡山登山口まで約一里に近い道を駆けつけた。当の広告の主人公は、当時京大嘱託速記者松川梅賢氏で、同氏がかねて練習中の英文速記のリーダーとして人を求めたわけであった。そこで一時間にわずかに六銭、一日四時間のリーダー生活をもって、やっと一日二食のみにありつき得て、しかも歓喜の声を挙げた当時の自分をいま想起して、まるで夢のようである。 このアルバイトがきっかけとなり、速記法に興味を持った中根正親は、特に速記の収益方面に於て有利なる事から、速記術を身に着けて楽に学資を得たいと言う考えから、速記の練習を始めたのである。中根正親は最初熊崎式速記の練習から始めたが、いくら練習をしてもスピードが出ないので、日本のあらゆる速記法を試したが不成功に終った。そこでピットマン式の英語速記法を研究してみたところ、 日本語の速記法が余りにも遅れていることに驚きと恥ずかしさを覚えた中根正親は、速記法の改良に興味を示し、、17回も基本線の書き方を変えるなど、苦心惨憺、夜に日に告ぐ研究に没頭した。その結果、遂にこれまでの日本語速記理論を根底から打ち破る「逆記法」や日本語の科学的分析の結果創出した「インツクキ法」などを盛り込んだ、日本で初めて人の話すスピードで書ける速記法を創案した。

    そこで、中根正親が、この新速記法の普及のため「中根式速記学校」を開設し生徒を募集したところ、応募者はわずかに1名であった。この時、世間の人々の速記法に関する無関心に呆れ悲しみ、「中根式速記学校」の看板を真っ二つに叩き割り、一生涯速記の教授はすまいと固く決意した。

    中根正親は、速記法の改良と普及は弟に任せ、大正4年、京都正則予備学校を開校し、教育者としての道に進んだ。
    | 中根正親 | 13:15 | comments(0) | - |
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